8月11日

歓迎のパフォーマンスとホームステイ

5:30起床、カップラーメンの朝食をすませ、6:45 サバイイ島に向けて出発。今朝は、あいにくの雨。
8:00発のフェリーに乗る。さすが、太平洋のど真ん中。島から離れると、船はすごく揺れた。雨が降っているので、海の色がきれいに見えず残念。

    

フェリーは、9:15頃、サバイイ島のサレロロガに到着。
銀行で両替するメンバーを待っている間に、マーケットを覗く。ここのマーケットは、野菜も魚も売っている。ウポル島のマーケットと違い、商品がバナナの葉で編んだかごに入っている。

    




サレロロガから、サバイイ島を時計回りに、アサウを目指す。島を約半周して、11:15にアサウに到着。島半周に1時間半かかったことになる。かなりのスピードでとばしていたのに・・。地図では小さく見えても意外と大きい島だ。


アサウカレッジでは、屋根のある集会所(?)のような場所に、全校生徒がそろい、我々の到着を待ってくれていた。
11:30頃から、生徒による
「カバの儀式」が始まった。マタイ役、ホスト役、ゲスト役など生徒達がそれぞれ役割に分かれ、静まりかえった神妙な雰囲気の中、儀式が進んでいく。

カバの儀式をやってくれたのは最上級生だそうだ。我々が来るのに合わせ、かなり練習を積んでくれたらしい。 
儀式の伝統や作法を、彼らはこういう体験を通して学んでいくのだろう。

カバの儀式
カバとは、胡椒の木の根を絞った飲み物でカバにはアルコール分は含まれませんが胡椒の根のため刺激性があって、飲んでいるうちに眠くなって 体が動かなくなると言われています。結婚式とかにカバの儀式が使われるのは飲むことによって酔ったようなおちつきの効果があるためです。
 カバには儀式決まりがあって首長の口上の横で2人がカバの出来具合をチェックします。飲む順序も年長者から飲むと決まっており、出されたカバはすべて飲み干さなければなりません。

 持っている木がカバの木


カバの儀式が終わると、今度は歌。すごい迫力だ。続いて、生徒達による、サモアの伝統文化の発表が始まる。学年ごとに出し物を考え、練習してきたそうだ。やらされているのではなく、自分たちも楽しんでいる雰囲気が伝わってくるのがいい。見ている生徒たちもとても楽しそうだ。

    

    

いやー、楽しませてもらった。学生の多くが、自分の国に伝わる伝統的なことをこうやって披露することができるというのはすごいなあと思った。日本の中学生、高校生が、同じように日本の伝統や文化を紹介できるだろうか。僕たちも、日本の文化を紹介する[JAPANBOX]で何をするか、なかなか決められなかった。

伝統文化を大切にし、しかも、みんなが楽しく演じられるというのは素晴らしいことだ。伝統的なものを伝えることで国への誇りが生まれる、とサモアの子ども達のパフォーマンスを見て思った。

これから、外国とのつながりもますます増えていくだろう。そのとき、一人一人の子ども達が日本の伝統文化はこれ、と紹介できることをもっているだろうか。日本でも伝統的なものを学校で子ども達に伝えていく大切さを改めて感じた。

サモアの生徒のパフォーマンスが終わり、今度は我々の[JAPANBOX]だ。子ども達のパワーをもらったおかげで、こちらもずいぶんテンションが上がった。あれだけやってくれたんだから、こちらも精いっぱいやってお返ししなければ・・そんな気持ちだった。
小学校で、全員を移動させてパニックになったので、今回はやりたい生徒に前に出てもらう。生徒達もテンションが上がってるのか、ちょっとしたことでもすごく受けた。2回目という事で、こちらも緊張が解け、とても楽しめた。

  

無事に[JAPANBOX]が終わり、先生方との会食に。メニューは、チキン&チップス。ずいぶん時間がおして、2:00前になってしまった。おなかぺこぺこ。ここでも、生徒が給仕とかしてくれた。こんな場で、給仕とかをするのはとても名誉なことで、とても優秀な子が選ばれるのだとか。
会食が終わり、いよいよホームステイのホストファミリーの子とご対面。といっても、前から順番に組み合わせていくだけで極めて適当だ。僕のホストファミリーになったのは、
マリオッタという男の子だった。トラックの荷台に乗り、家に向かって出発。

ずいぶん遠い。家があるのはヴァイサラという村で、1時間半ぐらいの道のりを、彼らは歩いて通っているそうだ。トラックで、「家族は何人?」と聞くと、しばらく考えて「アバウト、セブン」と言った。なんじゃそれ。

マリオッタの家は、前に店がくっついた赤い家だった。

さっそく、中に入って家族と対面。聞いた名前をメモしていく。まずは、マリオッタ(18)男、フィアナ(18)女、アイサック(9)男、バレリー(31)男、フィリー(15)男、ヴィエンナ(14)女、ウィリアム(0)男 これが子ども達、そのほかにおばさんおばあさんに会った。えっ、この7人が兄弟だから、「アバウト セブン」と言ったのかな?と思ってたら、あとで、マリオッタが「僕の本当の兄弟はバレリーとフィリーだけで、あとはいとこ」と言った。サモアの家族、よくわからない。

おみやげを出して見せていく。うちわ、風鈴、ダルマ落とし、紙風船、シャボン玉、折り紙、いろんなお菓子・・・。興味を持って見てくれるのだが長続きしない。一番関心を持ってのは、折り紙のようだった。鶴や飛行機を興味深く見て、飛行機は自分たちでも折っていたが、すぐに飽きてしまった。何かを作って遊ぶとかあんまりしないのかもしれない。お菓子は、コアラのマーチとハイチューをみんなで食べた。

両親が、アピアに出かけていて留守なので、おみやげはもう一度袋に入れて片付けた。もらった物は、必ず両親に見せないといけないようだ。両親は、夜に帰って来るという。


    
   

カメラを出してくると、上の写真のような顔に・・サモア人本当に写真好きだ。
チェキも出して、写真を撮ってやる。でも、マリオッタは自分だけの写真をいっぱい撮ってほしいと思ったらしく、部屋へ連れて行かれた。

サモアは
入れ墨文化の国。腕の入れ墨が彼の自慢らしい。アピアにいるもう一人の兄に入れてもらったらしい。SAMOAという字の横には、IACの文字が。聞いてみるとItu Asau College のことらしい。入れ墨で学校の名前を入れるなんて、何か変な感じ。まず、高校生が入れ墨を入れること自体、日本では考えられない。

夕方になって涼しくなってきたので、家の近くを案内してもらうことにした。

ずいぶん歩いて、バイサラホテルまで来た。ホテルの前は、きれいな砂浜。ちょうど夕日が沈む寸前だった。
これが、
世界で一番最後に沈む夕日だ。

    
    
ブタがウロウロ          ノニジュースの原料 ノニ

結局、2時間近く散歩していたことになる。ずいぶん歩いたなあ。ずいぶん、汗もかいた。家に戻って、水浴び。マリオッタが、水を運んでくれた。

すっきりしたところで、夕食。夕食のメニューは、
サモアンカレー。カレーと言っても、全然辛くない。クリームシチューをごはんにかけた感じ。塩で味を調えながら食べた。久しぶりのご飯がおいしかった。右は焼いたパンの実。サツマイモと栗の中間のような味だった。
サモアでは、客に食事を出すときは、家族と一緒に食べるのではなく客が先に食べる。つまり、僕が食べている間、他の人は食べずに見ているだけ。見られながら食べるのは、ちょっとつらかった。
食事が終わったら、またまた記念撮影。アピアからマリオッタの兄ジェイソン(20)が帰ってきていた。
両親は、まだ帰ってこない。

  

アサウの若者の楽しみは散歩らしい。涼しくなったからと、再び散歩に出かける。今度は、ジェイソン、フィリーもいっしょだ。仲のいい3兄弟だ。
外に出ると、空には満天の星。思わず見とれてしまった。
 
朝5時半に起きて、ずいぶん長い距離も歩いたし、もうくたくた。テレビを見ている彼らより先に、10:00に寝た。