5月9日  心落ち着く遺跡
 
 2日目はバスターミナルからピマーイ行きバスで1時間。今回のお目当てのピマーイ遺跡へ。
 ピマーイ遺跡は「タイのアンコールワット」と言われ、タイで最大のクメール遺跡。11世紀後半から12世紀後半のかけて、アンコールワットに先立って造営されたと言われている。

 遺跡公園の入り口を入るとすぐにサパン・ナカラート(竜王橋)が見えてくる。入り口には2頭のシンハ、欄干の先端には7つの頭を持つ蛇が縁取られている。
 

 

橋を渡り、「ゴーブラ」という楼門をくぐっていくと、門の間から中央祠堂が姿を現す。アンコールワットと同様の設計だ。額縁に入ったような姿が美しい。
最後の門を越えると・・・まさに「タイのアンコールワット」と言われる景色が広がる。

 

中央祠堂の入り口にはシバ神の彫刻。そして中には仏像が一体。

 

 中央祠堂を通り抜け、後ろ側の木陰で一休み。風が気持ちいい。人も少なく、緑も多く、とても落ち着いた気分になれる遺跡だ。


中央祠堂の周りを一回り。塔の周りにはズラッと彫刻が並んでいる。そして、見る角度によって塔の四隅のナーガ(蛇神)が塔から離れて見える。

 

 遺跡を満喫して出口へ。いい遺跡だった。わざわざここまで来て本当によかった。

 遺跡を堪能した後は、暑い道を歩いて遺跡から約1.2km離れたところにあるサイ・ガーム公園へ。この公園は、樹齢350年のバニヤンという1本の木がまるで森のように直径50mあまりに広がっているので有名。巨木好きの僕にとっては、是非行ってみたいところ。
 ところがたどり着いてみると、横に広がって伸びている木は巨木という感じではなく、本当にこれが1本の木かどうかもよくわからず、ちょっと期待はずれだった。地元の人たちにとっては信仰の対象となっているらしく、祠にはお参りする人が多くいた。 

 

 そして、ピマーイからコラートまで帰るときに乗ったバスがこれ。
 まず、座席が2人掛けと3人掛けのシートが横に並んでいる。つまり、1列5人掛け。席と席の間はきわめて狭く僕は足を横の通路に出さないと座っていられなかった。通路と言っても、1つのシートの幅あるかないかの狭い空間。そして、ここを車掌が行ったり来たりしてお金を集めて回る。車掌が通る時、客の乗り降りの時、狭いシートの間に足を押し込んで、体を横に倒して通路を空けなければならない。座ってるだけでもかなり辛い。
 そして、このバスのもう一つの大きな特徴が天井の横にずらっと並んだ大きなスピーカー。2列のシートに1個の割合でスピーカーがはめ込まれている。ここから大音響が流れるのだ。乗ったときは前のテレビで映画のDVDがかかっていた。その映画というのが、巨大なタコの化け物との戦いの映画。銃弾の音、爆発音、悲鳴、化け物の発する声・・・それらの音が大音響で頭の上から降ってくる。そして画面を見るとタコの化け物の気持ち悪いこと・・・。こんな映画、バスの中でやる映画とちがうやろ!!と何度も突っ込みを入れた。
 やっと化け物退治が終わって映画のエンドロールが流れ出しホッとしてたら、次は音楽を流しはじめた。これまた大音響。それも、かけている車掌が全面的に選曲の権利を持っていて、(たぶんやけど)好みでない曲は、曲が始まってしばらくするとバチンと切られ次の曲へ。曲の切れ目の音のない時間がつかの間のほっとする時間だった。
 客は誰一人文句も言わず、中には寝てる人、そしてこの大音響の中で電話している人もいて逆に感心した。
 しかもこのバス、ノーエアコン。新しそうなバスやし、音響よりもエアコンやろ!と思うのだが・・
 今回タイに来て約1ヶ月、一番辛かったのがこのバスでの1時間かもしれない。