2010 マダガスカル

 参加しているマダガスカル支援のNGOの活動として、2度目のマダガスカルに行くことになりました。
 アンタナナリブとアンチラベの2つの小学校へ行き、マダガスカル語のシールを貼った日本の絵本を届け、去年日本へ研修に来たマダガスカルの人とともに、読み聞かせなど子どもたちとの交流をする、さらにアンチラベの小学校では、図書室として改装する教室の改装費用を渡す、というのが大きな任務です。
 100冊以上の本を持って行くのに、活動に当たるメンバー2人のほかに観光ツアーを募集し、ツアーに参加する方に1人3kgほどの本を持って行ってもらうことになりました。嫁はそちらのツアーに参加し、バオバブを見に行きました。途中アンチラベで合流し、その後は行動を共にしました。


8月3日・4日 関空→バンコク→アンタナナリブ


すし詰め状態の教室で読み聞かせ


 8月3日関空発0:30のTG673便でバンコクへ。バンコク着4:00。5時まで空港で待って、タクシーで娘の家へ。あっという間に時間が経ち、ほとんどねる間もないままに14:30空港へ出発。
 空港へ着いてみると、マダガスカル航空は1時間遅れており、18:30マダガスカルに向けて出発した。
 

  
 

 マダガスカル着は8月4日0:30。入国手続きがわけわからず、いろんな人に指図されるままうろうろしながら入国までに1時間。ホテルに着いたら2時になっていた。
 マダガスカル1泊目のホテルは、空港近くのオーキッドホテル。驚くほどのきれいさ。こんなきれいなホテルにちょっとの時間しか滞在できないのはもったいない。
 ロビーで、1人2万円分のアリアリ札を受け取る。ちなみに、1円は24アリアリ、10000アリアリが約400円ということになる。
 2時間だけ寝て、5時から朝食。夜明けの景色がきれいだった。

 

ムルンダヴァへ向かう観光組を見送り、荷物の整理を済ませて、7:30、8年前を思い出す道を通ってタナの町へ。

  


 シャンガイホテルで、去年日本へ図書館の研修に来たティナさん、ラドゥさん、そして通訳のリリーさんと合流。住友商事 アンタナナリボ事務所、JICAマダガスカル事務所と回り、所長さんから話を聞き、こちらの活動を伝える。真ん中の写真は、JICA事務所にあった、協力隊員が活動している場所を示す地図。
 昼食は、JICA事務所裏のレストラン。どの料理にも細長いパンが立っているのがかわいい。でも、味の方はもう一つだった。

      

EPP Ambodin'Isotry(アンブディニスティ小学校)
 1時45分、学校へ到着。校門の前にも出店が出ていて、店を移動させてから門を開けて、中に入る。

 運動場には、男女別にズラッと2列に並んだ子どもたち。全部で150人ぐらいいるだろうか。こちらの方を好奇心いっぱいの目で見てくる。緑のユニフォームを着ている子と着ていない子がいる。あとで、校長先生に聞いたところによると、男女各60着ずつプレゼントされたものを、貧しい子から配ったという。まだ新しく、ユニフォームを着ているこの方が小ぎれいに見える。私服の子どもたちは、そこまで貧しくないこということになるが、かなり汚い服を着ている子も多い。この小学校は、タナ市内でも一番貧しい地域にある小学校ということが実感できる。

 校長先生と挨拶をした後、この状態では、読み聞かせができないので、教室を開けてもらうことにした。夏休みということで、先生の姿はほかには後1人ぐらいしか見えなかった。
 教室へ、まずユニフォームを着ている女子、そして、ユニフォームを着ている男子の順で入れられ、第1回の読み聞かせがスタート。まずは、校長先生が我々を紹介。いいこと、うれしいことを言われた時には拍手という約束になっているらしい。続いて我々からここに来た目的を伝える。一言言うたびに拍手。

 いよいよ、読み聞かせ。読むのはラドゥさん。ちょっと声が小さく聞き取りにくいのだが、子どもたちは静かに聴いている。大勢の目が小さい本の絵に集中している。本、紙芝居と続けたあとは、奈良県の高校生が作った布絵本を見せる。ページをめくるたびに大きな拍手。心を込めて丁寧に作られたということが見せるだけで伝わったようだ。これで一回目が終了。

  

 2回目は、ユニフォームを着ている男の子の残りと、ユニフォームを着ていない子。1回目より人数がはるかに多く、教室はすし詰め状態。今回も、ナマナクラブとここに来た目的の紹介。今回は、校長先生からの指導はなく、一言言うたびの拍手はなかった。でも、この方が自然かも・・。

 今回の読み聞かせは、ティナさん。はじめの話は、「大きなかぶ」繰り返しの部分が面白いのか、笑い声が聞こえた。本が2冊あったので、左右で2冊の本を開き絵を見せた。子どもたちは、話と絵に集中している。次に紙芝居「チョコレートカステラ大事件」。ティナさんは、子どもたちに声を出して反応させながら読み聞かせを進めていたので、朗読の途中で子どもたちの元気な声を聞くこともできた。最後に、布絵本と折り紙で鶴を作って見せ第2回も終了。1回目より2回目の方が、子どもたちの反応が自然だったような気がする。

  

 その後は、運動場で大縄跳びをすることにして外に出たが、子どもたちが多すぎて、また、子どもたちを仕切る先生が少なすぎて、大縄跳びをする場所も作れない状態。仕方がないので、最後の挨拶をして、さようならをしてから、残った子だけで大縄跳びをすることにした。はじめは、大人が縄を回していたが、途中からは大きな子が色々と指示しながら小さい子を跳ばせるようになった。大縄跳びはみんな上手でびっくりした。日本より回すスピードがうんと速いのにもびっくり。   

  

 縄跳びで遊ぶ子どもたちを残して、校長先生に学校を案内してもらい、学校について尋ねる。
 まずは、物置のような図書室(といっても、本の数は100冊もない)、校長室、職員室。職員室はやたら狭く、実際、先生たちは職員室に集まるということはないようだ。ほとんどのマダガスカルの学校には職員室はなく、先生は授業だけして、すぐに帰ってしまうというのが現状のようだ。教室も、長机が並ぶだけの殺風景な教室。電気もない。

  

 児童数は2300名(1年〜5年)、1クラスは60名。教室は24。午前と午後の2部制。児童数の多さ、1クラスの人数の多さに驚く。14%ぐらいの子だけが上の学校に行くそうだ。マダガスカルの平均からしてもうんと低い数字だ。
 心をこめ、時間をかけて作った絵本を大切にして、教育に役立ててくださいと何度も伝えて、3時30分、学校を後にする。あっという間の1時間半だった。

 日本大使館へ寄ったあと、4:30ラダマホテルへチェックイン。6:00から夕食。いろいろとあわただしい1日を終え、冷たいビールがおいしい。キャッサバと豚肉の煮込みとごはんを食べる。
 途中からは、日本に留学していた人や、今日本に留学している人の家族加わり、いろんな言葉が飛び交いながらの食事になった。
 夕食後、シャワーを浴びて寝ようと思ったら、水が出ない。ホテルの全室で水が出ないようで、フロントには続々問い合わせに来る人が。15分待ってとか言うのだが、これは当分待っても無理と判断し、ミネラルウォーターで歯を磨いて、早々と9:00就寝。それにしても、このホテル、老舗ホテルとして結構いい値段するらしいのだが、水が出ないことに加えて部屋も廊下も汚く、今まで泊まったホテルの中でもワースト5に入るかも・・