12月26日 高雄
龍と虎のテーマパーク

 7:00 起床 8:00から朝食。9:30からタクシー2台で高雄市内観光に出発。(1台1時間300元)
 最初の目的地は、
澄清湖。高雄の水源地にもなっている1周約7kmの人造湖だ。
 初めに車が止まったのは蒋介石の別荘。何か蒋介石というとすごく昔の人と思ってしまうが、調べてみると亡くなったのは1975年。別荘の建物もそんなに歴史が感じられる建物ではなかった。湖の向こうに大きいマンションがいくつも見えた。

  

 続いて車が止まったのは、鳥園。下の方に檻が見えるので行ってみたら、いるのはクジャクだけ。孔雀園という看板にしたらいいのに。 そして、横の建物は「海洋奇珍園」という名前の水族館。蒋介石が作った核シェルターの一部をそのまま利用しているらしい。

  

 そこからそのまま歩いて「九曲橋」へ向かう。途中の湖面にはトンボのオブジェがあり、よく見ると台所用品を利用して作られたものだった。
 「九曲橋」は、この公園で一番有名なスポットで、長さ230m、幅2.5m。この橋には9カ所のカーブがある。なぜ9カ所なのかはわからない。縁起がいい数なのかな? 橋の角には、ツバメのつがいが止まっていてとてもかわいかっ
た。

   

 続いて、高さ43mの中興塔へ。湖に着いたときからこの塔が見えていて、塔の上から景色を見るのを楽しみにしていたのだが、近くまで行くと工事中。結局上ることはできず、残念。
 最後に、三亭へ。湖畔に3つの建物が並び、左右の屋根の上には鹿と鶴がのっていた。鹿と鶴はこの後も、寺の中などで目にすることがあった。宗教上、何か意味ある動物なのかな。湖の向こう側には「九曲橋」、道の反対側にはズラリと高級そうなマンションが見えた。

  

 次の目的地は、蓮池潭風景區。車が止まったのは龍虎塔の前。「地球の歩き方」の表紙にもなっている塔だ。極彩色の龍と虎が、七重塔の前に作られている。龍の口から入り、虎の口から出るとそれまでの悪行を取り消しにしてくれるらしい。入り口までは、澄清湖と同じような直角のカーブが続く橋を渡っていく。龍から入らないと悪行は消えないので大きく入り口の表示があった。

    

 いよいよ、龍の口の中へ。トンネルのような口の中には、宗教に関係のあるような絵がびっしり。そして塔を上る。螺旋階段が続く。途中の屋根の上にも、龍の塔には龍の、虎の塔には虎のミニチュアが飾られていた。息を切らして一番上に到着。池の向こうの方にも極彩色の龍や神様が見える。池の畔が大きなテーマパークのようだ。

   

 龍の塔を下りて、今度は虎の塔に上る。1人が龍の塔に残り、塔の上同士で写真を撮り合った。

   

 再びトンネルを抜け、虎の口から出る。悪行は消えたかな? 湖のほとりに2つの塔があるだけの場所かと思っていたが、色々ととても楽しめる場所だった。
 今度は、道の反対側にあるお寺「慈清宮」へ。屋根の上の飾りが美しい。そして、中は金ぴか。参拝中の地元の人が天井の飾りを自慢していたようだったので、写真を撮った。

   

 次は、塔の上から見えた大きな龍「春秋閣」へ。龍の上には、いろいろな神様が乗っている。ここのハイライトは何と言っても龍の中。龍の口から入ると、何やら気味悪い絵が並ぶ。どうやら地獄を表しているらしい。龍の中を進むにつれて、おだやかな色調の絵に変わっていく。地獄から天国へという感じだろうか。でも、天国より地獄の絵の方が、きもかわいくおもしろかった。

 

      

 次は、道教の神様「北極玄天上帝像」。とて大きく、迫力がある。鯉の餌の自動販売機があったので、買ってみた。

   

 湖畔の景色を十分堪能し、お腹もすいてきたので、旗津風景區に向かう。途中で、運転手さんがナンバーワンという、生搾りオレンジジュースを買う。たしかにとてもおいしい。 フェリー乗り場でタクシーとはお別れ。とても親切な運転手さんだった。

 フェリーに乗って、
旗津へ。海の上の風が気持ちいい。近くには軍艦、遠くには高さ378mの「東帝士85ビル」が見えた。

   

 旗後天后宮。高雄でもっとも歴史の古い寺。1673年に福建省の漁民が台風で漂着したところに媽祖の像を祀るようになった。「媽祖」は、航海を護る海の神様としてのみならず、自然災害や疫病・戦争・盗賊から人々を護る女神様として、現在でも中国大陸・台湾はもとより、華僑が住む世界各地で信仰されているそうだ。

   

 そして、ようやく昼食に。海鮮料理屋が並ぶ通りで、遅めの昼食。カニ、エイのひれ、イカ、白魚、ハマグリ、空心菜、焼きビーフン、焼きうどん、ビールで1810元。店の人お勧めのレタスに巻いて食べるエイのひれが特においしかった。

    

 食事の後は海岸まで散歩。12月だというのにとても暖かい。海ではサーフィンをしている人も。
 日本語で話すのが懐かしいという80歳をこえたおじいちゃんが現れ、いろいろと話しかけられた。台湾では、日本の支配下にあったことはそれほど悪いイメージではなく、むしろ親日派の人が多いように思った。
 フェリーで再び対岸に戻る。フェリーの順番を待つバイクがズラリ。

  

フェリー乗り場近くの、運転手さんお勧めのかき氷屋「海之冰」へ。店内は混み合い、店内の壁は落書きだらけ。4種類注文して195元。特に、左上のいろんな豆とかがのったやつがおいしかった。

  

 次はタクシーで、新しくできたショッピングセンター「夢時代」へ。
 できたばかりの様子で、凄い広くてきれいなのだが人がやたら少なく、淋しい感じがした。マッサージ組とショッピング組に分かれて行動しようと思って行ったのだが、マッサージ店も入っておらず残念。でも、テレビではここのCMをやたら目にした。大晦日にはオープン記念の大々的なイベントをやるみたいだった。市街地から少し離れたところにあるので客が少ないのかも知れないが、次来たらきっとずいぶん賑わっているのではないだろうか。

 

 結局、少しウロウロしただけで再びタクシーで、市内の若者の街「新堀江」へ向かうことにした。新堀江は、夢時代の閑散さがウソのような賑わい。入り口の店のお姉さんにマッサージ店の場所を聞くと、「左脚右脚」という店を教えてくれた。全身マッサージ(1時間)800元。肩とか背中とかたたくときに、独特のリズムでたたく。そのリズムの出し方がマッサージ師の腕の見せどころのように思った。

 新堀江の店をぶらぶら見ながら、地下鉄の中央公園駅へ。今夜の夕食は「地球の歩き方」に載っている「西海岸活蝦之家」と決めていたので、最寄り駅の地下鉄左榮駅へ。
 
 タクシー会社の事務所のような建物の横にタクシー乗り場があった。さっそく、歩き方を見せ、ここまでと伝える。マフラーを巻き、何となくうさんくさい運転手はどこにあるかわからない様子だったが、ここに現れたのがタクシー会社の配車係のようなおばさん。「ああ、これならここよ!」と言うような口調で運転手にまくし立て、もう1台の運転手ととりあえず出発(させられた?)すぐに着く距離かと思っていたのだが、なかなか着かない。窓の外には、大きい建物がやたら増えてきた。郊外に向かっているはずなのに、高雄ってどんだけ大きい街やねん。と思ったのだがこれが大きな間違いで、実は車は高雄の中心地に戻っていたのだった。きれいにライトアップされた川と橋が見えてきた。これって、有名な愛河なんとちゃうん。完全に市内に戻ってるやん。

 車は、とあるホテルの前で停車。ホテルの人に道を聞くようだ。でも出てきたホテルのおっちゃんも、さっぱりわからず、ついには「日本語話せます」のマークを付けた兄ちゃんまで呼び出されてきて、何かえらい騒ぎに。でも、この兄ちゃんがまたやたら頼りない。こっちは、運転手が道を知らんかったとわかったので、「もうここで降りる、代金は払わん。」運転手は「もう、店の場所はわかった。今から連れて行くからここまでのメーターの300元払って。」この会話にすいぶん時間がかかり、もう面倒になって、300元で再び左榮駅近くの目的地「西海岸活蝦之家」まで戻ることに。結局、1時間ほどのロス。そして、何の関係もないホテルの皆さんお疲れ様でした。
 やっと店の前に着いたときには、お腹はペコペコ、気分はぐったり。ここで教訓。
台湾でタクシーに乗るときには、行き先の住所を大きく書いた紙を運転手に見せて確認してから出発。この教訓は、この後の旅でずいぶん生かされた。何となくうさんくさい、ドラゴンボールに出てくる悪役のような運転手さん、忘れないよ。
 
 苦労してたどり着いた「西海岸活蝦之家」のエビ料理は、とてもおいしかった。エビの胡椒焼き、オイスターソース焼き、塩焼き、空心菜、キャベツ炒め、豆腐焼、エビ団子等々いっぱい食べて飲んで、8人で3450元。

   

 帰りは、店でタクシーを呼んでもらって、200元でホテルまで戻れた。
 ホテルへ戻ったのは10時半。朝から晩まで、いっぱい動いて、おいしいものもいっぱい食べて充実の1日だった。
 高雄、楽しかった−。